幼稚園は子ども達が作る小さな社会です。子ども達は、初めての集団生活の中でいろいろな経験を積み重ねながら、より逞しく、より心豊かな賢い子どもに大きく成長していきます。
子どもの発達にとって大切なのは、知識量を増やすことではありません。教育には『適時性』があり、また発達には『順次性』があります。適切な時期に適切な経験や教育を受けなければ、必要な能力は身につけることはできません。早期知能開発教育などが行っているように、ある段階を飛び越え、先回りして無理に高い段階へ進もうとすると、子ども達の発達をゆがめてしまいます。
それに対して、子どもが自発的な活動によって身につけた知識や能力は、柔軟でまとまりのある思考構造に裏づけられており、子どもの中にしっかり根づいているため、目を見張るほどダイナミックなはたらきをしめして、さまざまな分野にその能力を生かしていくことができます。
岩戸幼稚園では、子ども達の発達に合わせて、子ども達が自分の五感と運動とを総動員しながら、自発的・能動的に環境にはたらきかけ、探求したり、発見したり、作り変えたり、組み合わせたりすすような、自発的で意欲的な活動ができる教育と環境づくりを目指しています。
幼児期の子ども達は、遊びながら人間が生きていく上で大切な能力・技能・態度・知識、そして、豊かな心が育っていきます。広いグランドで思いっきり体を動かすことによって健康で丈夫な体が育ちます。これは、体力や運動能力の基礎になります。また、身近な植物や生き物などの自然と触れ合うことによって、知的好奇心・探究心といった知的な学びの基礎が養われます。そして、創作活動や表現活動を取り入れた遊びによって、創造力・豊かな感性・表現力といった豊かに生きていくための心や能力の基礎が築かれます。
岩戸幼稚園では、「楽しかった」「もっと遊びたい」「また明日もやりたい」と、どの子どもも目を輝かせて、時間を忘れるほど思い切り遊ぶことを大切にしています。教職員はそのための環境や場づくり、言葉かけなどについて、日々研究し準備をするように努めています。子ども達は、目を輝かせて夢中に遊びながら、自然や社会、そして、自分やまわりにいる人について、子ども自身で世界を広げていくと考えています。
幼稚園生活は、家庭外の社会への第一歩です。自分とは違うたくさんのお友達の存在は、子ども達にとって大きな意味を持ちます。同年齢・異年齢のお友達と生活したり遊んだりすることによって、多くのことを学びます。興味・関心の対象が広がったり、お友達と一緒だからできるようになることがたくさんあります。
岩戸幼稚園では、どの子も一緒に遊んだり生活したりする楽しさを味わい、お互いに分かり合い、思いやりのあるやさしい子どもを育てるように努めています。お互いに理解し、共に伸びる喜びを経験することが、豊かに生きるための人間関係づくりになると考えています。
私達は父母・祖父母から「おはようございます」「こんにちは」「さようなら」の挨拶、名前を呼ばれた時の「はい」の返事、「ありがとうございました」「ごめんなさい」などの心と心をつなぐ美しい言葉と態度を受け継いできました。
岩戸幼稚園では、気持ちの良い返事・挨拶・感謝の言葉などが習慣化するように、教職員みんなで努めています。また、子どもの興味・関心を中心に考えた遊びでは、身に付けたいことがもう一つあります。それは、つらいことや難しいことがあっても途中であきらめずに、最後まで頑張るたくましい心です。「あきらめずに頑張ってよかった」「最後までできて楽しかった」などの満足感が自信となり、次への意欲に発展していくと考えています。
健康 | 進んで運動をし、健康な心と体を培うと共に健康・安全に必要な習慣・態度を身につける。 |
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人間関係 | 自分の力で行動することに充実感を味わうと共に、他の人との関わりを深め、社会生活でのより良い習慣や態度を身につける。 |
言葉 | 経験したことや考えを表現したり、相手の話を聞く能力や態度を養う。 |
表現 | 表現活動を通して、豊かな感性・表現力を養い、創造性豊かにする。 |
環境 | 身の回りの自然・社会・文化などの環境に興味を持って触れ合い、知的好奇心・探究心を養うと共に新しい世界を広げる。 |
あいさつは人と人を結ぶ絆の第一歩です。相手に心を向けること、それが本当のあいさつです。あいさつをすることで思いやりのあるやさしい心が自然と生まれてきます。元気よく自分から「おはようございます」「こんにちは」「さようなら」「ありがとうございました」「ごめんなさい」など、きちんとあいさつをしましょう。
「はい」は漢字で書くと「拝」です。人を大切にする気持ちを表す言葉です。相手の目を見て「はい」と返事をすることは、相手に心を向けることにつながります。あいさつと同じです。相手に心を向けることはコミュニケーションをとる上でもっとも大切です。人間関係の基礎となる心のつながりが生まれてきます。元気よく相手の目を見て「はい」と返事をしましょう。
「履物をそろえると心もそろう、心がそろうと履物もそろう」という通り、靴をそろえることは心のけじめです。心のけじめとは、わがままな気持ちを抑え、我慢をすることにつながります。また、後片付けをきちんとする習慣にもつながります。靴を脱いだ時は、しっかりそろえましょう。
姿勢がよいと体によいことはもちろんですが、心もしゃきっとして落ち着きます。姿勢をよくすることは、心と体のコントロールにつながります。靴をそろえることと同じく、わがままな気持ちを抑え、我慢をすることができ、つらいことや難しいことがあっても最後まで頑張る強い心が育ちます。ピンと背筋の伸びた姿勢をしましょう。
「ありがとうございます」の言葉と気持ちはとても大切です。新しい世界をどんどん広げていく子ども達。その世界には、たくさんの人がいることに気付いていくことでしょう。お父さん、お母さん、おじいちゃま、おばあちゃま、お友達、先生・・・など本当にたくさんの人の支えの中で生きています。いつも感謝の気持ちを胸に持ち、「ありがとうございます」の気持ちを伝えられるようになりましょう。
岩戸こども園 いわとこどもえん Iwato Kindergarten |
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